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ポッド1「文芸メディアの現在――批評的メディアはどうありうるか」


ポッド1「文芸メディアの現在――批評的メディアはどうありうるか」
パネリスト:東浩紀宇野常寛佐々木敦中森明夫、山本充、前田塁


 例によって全部、個人的なメモなので発言再現ではないです。抜けが多すぎ。
 録音している人がいっぱいいたし、噂が本当ならニコニコ動画にアップされるらしいので、そっちを観るといいでしょう(081021追記:アップはされないみたいです。失敬)。
 あとは公式の方にも「このシンポジウムの内容は、2008年秋刊行予定の「早稲田文学2」に掲載予定です」と書いてあるのでそちらを参照。しかしこういう時に「速さ」というものの問題を感じる。


 東浩紀が徹底的に悪役に徹しているのが可笑しい。
 批評家の社会的影響力と立ち位置、経済が混然としている話。
 最近の状況を解らずに行ったので、もっと宇野常寛がボッコボコに叩かれるのかと思いきや、そうではなかった。東浩紀との関係性は観ている分にはなんだかよく分からなかった。掛け合いは上手く行っていたと思うけど。


中森明夫「せっかく宇野さんみたいな若い人が出てきたのにいきなり景気悪い話で残念。文芸誌とか流通とか言い始めるとヤバい。そこまで守る文芸は何なのかとか、メディアが雑誌で良いのかとか、そういう事を考えた方がいい。でないと袋小路に入ってしまう」


東「いまゼロアカ道場講談社でやっていると言われましたが、正確には講談社BOXでやっている訳です。つまり出来ているのは奈須きのこひぐらしが売れているからです。そういった事は僕と太田君の個人的な信頼関係で可能になる。僕もやりたくてやっている訳じゃない。ただ評論誌が休刊していたりする現状、やらなくてはどうしようもない。ゼロアカを批判する人はほかにどうすればいいのか教えてほしい」


中森明夫がライブなんだから殴ればいい、と言った事を受けて)
東「先ほど中森さんがおっしゃっていた事は正鵠を射ていて、宇野君もいま佐々木君(佐々木 敦)を殴ればいいと思うんですよ」
中「違う、僕は佐々木君が宇野君を殴ればいいと言ったんです」
東「どっちでもいいですよ」


中「小林秀雄以来、批評なんか評価の捏造だよね。3000部でいいじゃないか1万部いかなくてもいい、というのはちょっと寂しい。今年、『蟹工船』で共産党員が1万人入ったのにPLANETSが3000部というのは寂しいじゃないか」


宇「どうしてあんなにゼロアカが叩かれるかというと、はっきり言ってやっかみですよ。僕らだって有名だったら小学館講談社オルグして評論をやりたいです。いわゆる東浩紀しかいなかった問題です」


東「僕と(講談社)太田君みたいに、環境づくりをしろという事です。そして環境に責任を持てという事です。今の評論家はそういうのが全くない。たとえば奈須きのこがつまらないですよと言える評論家は僕くらいですよ。ただし、僕は太田君に話す時にどきどきはします。奈須きのこ竜騎士07の1万分の1も売れていませんから」


ユリイカ)山本充「基本的にはマクロがどうこうは考えていなくって、面白いものを取り上げて行こうと思っています。先ほど宇野さんがPLANETS 3000部だとかでやっているとおっしゃっていましたが、どういう基準で載せるものを決めたりしているのかをお聞きしたいのです」
宇「僕は総合誌が好きな人間なんです。例えば女子高生に『小悪魔ageha』を出すように、ある種のマイノリティに向けて雑誌を出す現状で、となりのタコツボを見せたりしたい。WBの人たちと話していてもぬるいので、そういう人が読むようなものがあるといいと思った。(現状は)プレイヤー不足なんです」


中「プレイヤーを多くして何がいいの」
宇「世の中が活性化するじゃないですか」
中「何がいいかとか言わないとやらないよ。女にモテるとかさ」
東「自己実現したい訳ですよ」
中「?」
東「4年生とか修士の頃とかは僕もすごく楽しかったですよ確かに。書き手と直接話を出来るわけですし。柄谷行人とかにも話しにいって」


中「住み分ける批評をした方がいいと書いたのはあなた(東)でしょう。ぶつかりなさいよ」
東「ぶつかるにしても人数が少ないですよ」
中「ぶつかったら増えるかもしれない」
東「20人とかいればいいですけど、3人とかではまず増やすことを考えないと」


東「これから文系の大学院というのはかなり辛いと思います。図書館はネットがあるでしょう。例えば論文絶対通さないよと言って学生が死んじゃったりしたら、大問題になり相当リスキー」
中「そういった意味では批評家の方がいいと」
東「そうです。自由人同士で飲んで倒れて救急車で運ばれてもそれは自由人同士です」


東「ネット社会において、価値判断がサロン的なコミュニティによって高まることはあり得ない。だから飲み会は全く別なんです。あれはガソリンを入れるようなもので、燃料投下。デリダエクリチュールは一言でいえばひきこもってもOKという話な訳ですよ。それに対して浅田彰さん柄谷行人さんは批評空間だからね」


 (会う事は重要だが、大塚英志と話がかみ合わなかった事に対して)
東「大塚さんとは会っちゃいけないという事がよく分かりましたよ」