Radio CON$

CON$のブログ。アニメとかホラーとかレトロゲームとか好き。

「Live at ファウスト@講談社」レポートというかメモ

cry_condor2004-11-28




 さて、11/27(土)に行われました「Live at ファウスト@講談社」のレポートというかメモですよ。記憶が不確かで本当にすみません。
(文中敬称略)

(注:以下は個人的な記憶による「メモ」であり、「レポート」ではありません。正確性を欠いた書き込みの方がよっぽど多いです。それを公開するのも正直どうかと思いますが、何年か後に見ると面白いかな、というのと、1%ぐらいの知り合いに見せたくて書いています)

 講談社で行われたファウストのイベントに行くのはこれが二回目。
 午後2時に護国寺に行きますとすでに入場開始。何人も並んでいたようで、会場の半分からちょっと後ろの座席でした。この席だと作家の皆さんはほとんど見えません………。
 当日の日記にも書きましたが、広くて立派すぎる講談社内を進んで会場に着くと照明が落とされており、そこに「ファウスト」ならびに各作家のファンが200名ほどびっしり並んでいる姿は壮観。

 時間になり『ファウスト太田克史編集長登場。
 「本日はドラクエ8の発売日にもかかわらずお越しいただきまして……」という挨拶に続いて、作家の入場。
 乙一北山猛邦(きたやまたけくに)、佐藤友哉滝本竜彦の順。一人一言の挨拶がありました。佐藤友哉は新潮社の仕事があるらしく、これが終わったらカンズメ状態で仕事をするとか。でも40分?だけドラクエ8はやったとかで………。

 ここで残念ながら会場に来られなかった(来なかった?)西尾維新からのメッセージ(西尾維新は顔バレはナシの作家なんですよね?)。
 「アジカン大好き西尾です」から始まって、ドラクエ8はソフマップで予約したとかのどうでもいい(笑)話に引き続き、西尾維新の小説観。ここは上手く文章にできないので割愛します。なかなかいい文章でした。
 それに引き続いた東浩紀のメッセージがまたよかった。
 ファウストは一種の祭りであり、それに立ち会えた皆さんは幸せだと思いますが、祭りが終わったときの事も考えてください、ファウストという流れを、皆さんの中でどう繋げていくかが重要です………という大意なんですが、これも私のメモ程度では到底再現不能。これは来場者にコピーして配るとかメールマガジンに掲載するぐらいの事はしてもいいのでは?

 引き続き、例の乙一による「文芸合宿」映像が公開。
 非常に興味深い内容だったのですが、後半書くことと被るのでやや割愛します。
 作家が小説を書くところが捕えられている、貴重な映像ではないでしょうか?

 まずは羽田空港でテーマの発表。テーマは………「上京」!
 すぐさま佐藤友哉がやったー!と喝采をあげる。「実際、上京しているし!」。他のメンバーの微妙な表情が可笑しい。もちろん、西尾維新はフレームの外で、顔は見えない。
 みんなで海に行くシーンもあり。佐藤友哉が楽しそうに海で遊んでいる。北山猛邦が砂で館のようなものを作っているが、それは「斜め屋敷」だそうな。さすが本格好き。
 途中、太田編集長が逆ナンパされるシーンが。
 全員がテンパっている中、佐藤友哉がカーテンに身体を巻きつけてくるくる回りながら「カポーティになりたい」というかなりの珍シーン。
 それと並ぶ滝本竜彦の夜のシャドーボクシングも可笑しい。このほか、ベランダにいるところを写されて「引きこもりを外に出さないように」などの珍シーン続出(というか、ほとんどそんな内容。乙一さすが!)。
 沖縄・万座ビーチに移動して3泊4日の文字通り、合宿。結局、時間通り書き上げるあたりはさすがか。最後にちゃんと東浩紀が来て総評を。ここで滝本竜彦東浩紀を論破?する興味深いシーンが。

 (感想を尋ねられて)
乙一「面白かったですね。特に(太田編集長が)逆ナンパされるあたりが」
太田克史(以下、太田)「いや、あれは道を聞かれただけですよ。今度は一人で行こうかと思いましたね」
佐藤友哉(以下、佐藤)「あのくるくる(カーテンと共に)回っているのは何だったんでしょうね? 自分で全然覚えていませんが………」
太田「みんな寝ていませんでしたからね、西尾さん以外。初日の12時に滝本さんは「寝ます」っていっていきなり寝たのがびっくりしましたが」
ファウストvol.4にもあるとおり西尾維新は早々に書き上げ、あとはずっと遊んでいたらしい)
滝本竜彦(以下、滝本)「映像の中で自分を見ると本当に嫌ですね。(シャドーボクシングしていた事を尋ねられて)あれは漫画『ホーリーランド』に影響されて、僕もボクシングで強くなろうと」
太田「次も合宿やりたいですか?」
滝本「北海道だと実家に近いし、帰れるのでいいですね」
太田「それ合宿じゃないじゃん!」
北山猛邦(以下、北山)「僕はやりたいですね」
太田「やっぱ心が通じ合っているね。新本格でない人は信用できないね(笑)。まぁこういうのはワンアンドオンリーだからいいのかもしれないですね」
北山猛邦は『『クロック城』殺人事件』で第24回メフィスト賞を受賞し、本格ミステリをこよなく愛する作家)
滝本「でもこういう企画でもないと沖縄とか行かないしなぁ。佐藤(友哉)さん、海とか何年ぶりですか。ビデオでは楽しそうでしたけど」
佐藤「内陸で育ったから、子供の頃ですよ。今回の人生・相談に書いてあることは本当で、泳げないんですよ」
太田「一人だけピンクの浮き輪なんですよね(笑)。いやしかし今回は皆さん本当にずーっと仕事をしていましたね一人を除いて。この合宿ね、京都大学ミステリー研究会がそうだったんですよ。合宿があるんですよね。そういった新本格の流れがファウストにも受け継がれているんですね」

 その後、話はリレー小説について。

乙一「最初、一番手と聞いたら貧乏くじを引いたような気がしたんですが、後から考えるとそれでよかったかなと。その後大変だったと思うんですが、佐藤(友哉)さんの時にキャラが悪人になって。とにかく自分のキャラクターが人の手で動いていくのを見て感動しました」
佐藤「人を悪人みたいに言わないで下さい(笑)。ハートフルな物語を書いたじゃあないですか」
乙一「最初は映画『アマデウス』のような、モーツァルトサリエリのような(天才と凡人の物語?)を考えていたんですが、次の北山さんの回で全く変わって」
北山「乙一さんのものからどう受け継いでいけばいいか、本当に悩みました。佐藤(友哉)さんからどうせミステリーを書くんだろうとか言われましたが、時間をかけて自分の得意分野にもって行きましたね」
佐藤「ファウストvol.4にも載っていますが、乙一さんがどんな物でも書けるようなものを出して、自分は中間部分なので流れを大きく変えることができずにああいう出来になってしまいました」
滝本「初日に、後で小説の矛盾点(間違い)は後の人が直す、というルールがありまして」
北山「そうそう、皆で会議して前の人が間違ってもさかのぼって修正しないことにしましたね。それを決めたときに、皆さん作家だなと思いましたね」
佐藤「あの会議は白熱したね」
太田「僕が寝ているときにそんな会議があったんですか。今回のはね、人類始まって以来のリレー小説だと思っているんですよ。今までは皆が作品を持ち寄って書いて、という事で、本当に同じところでバトンを渡して書いた、という事はないんですよね。僕は今回の事をあの世でゲーテに報告しようと思っています」
佐藤「途中で僕が読み間違いをしたんですよね。たった一つ、場面展開した所を読み間違えまして………それを滝本さんが直して」
太田「滝本さんは競作とリレー小説の締め切りが重なって大変でしたね」
滝本「海に二回行ったのが時間なくなった原因ですね。やっぱり上京といったらSFだろうと、ナノマシンを出して」
太田「起きたらみんながナノマシンナノマシンと言っていて、別な次元に来たのかと思いましたよ。本当に沖縄ではあの時、ナノマシンが流行していましたね」
佐藤「あのね、ほんと体力持たないんですよ合宿って」
乙一「いやあ全然、観光できなかったですよね」
滝本「Air H"が繋がらなかったのが誤算でしたね」
太田「あの、ファウストvol.4にも載っていますけど、ゲラでの修正はなしとか、ホント真剣勝負でしたね。この企画、皆さんに奥さんとかいたらできないですよね。結婚といえばビデオの中で結婚式に反応していた佐藤(友哉)さん、どうですか」
佐藤「近くで結婚式をやっていましたけど、呪っていましたね。イライラするじゃあないですか。初日はああこんな所にチャペルがあるよ、こんなところで結婚できるなんていいなとか思っていましたけど、最後の方はあの鐘、落ちないかなとか思っていました」

 その後、出席裁判というか、それぞれの作家に一人一人クローズアップして、他の作家が語っていくという流れに。以下、会話がつながっていないんですが、その間の「佐藤先生はどうですか?」とかいう太田編集長のあいの手をすべてカットしているからだと思ってください。
 最初の作家名の後にあるのは、会場スクリーンに出たキャッチです。

 乙一 「映画監督、乙一!」

佐藤「乙一さんはね、ひたすらペースが乱れない作家だと思いました」
乙一「佐藤(友哉)さんと西尾さんが後ろの方で漫才みたいな会話をしていて、それが面白かったですね」
太田「あれ、うるさかったでしょう?」
佐藤「皆さんにも聞かせてあげたいよね、あの軽快なトークを」
北山「小説を書いている姿もそうでしたが、カメラを構えている姿が印象的でしたね。プリンタから紙が出ている所を写したり、見ているところが人と違うんですよね」
乙一「………鋭い………。編集しているときも、懐かしくて楽しかったですね」
太田「充実はしていたんですね」
佐藤「いい顔をしている所を撮っていますね」(←メモミスだと思う。別の人の発言)
太田「監督デビューした暁には、みんなパンフに何か書いてくれますよ」

 北山猛邦 「物理の北山!」

佐藤「前情報がまったく無かったので、どうしよう、嫌われていたらと思っていましたね。お前らが新本格ミステリをこんなにしやがって!とか言われたらどうしようとか。あ、僕も物理トリックを考えましたよ。これはもうすごいですよ。すごい」
太田「どこがすごいんですか」
佐藤「角度が(斜め屋敷よりも)すごいトリックです」
乙一「執筆している所より砂山で館(斜め屋敷)を作っているのが印象的でした」
滝本「この人は本当に物理トリックが好きなんだなと思いました。あと、リレー小説の前の会議で、前の人に話を直させるのはできない、と言っていたのがかっこよかったですね」
太田「(佐藤さんの所とか)本当にちょっと直せばよかったんでしょう?」
佐藤「あそこを直すとプロットの84%を直すことになってしまうし………辛かったですね」(←メモミス。最後記憶あやふや)

 佐藤友哉 「ユヤタンカポーティー!」
 (すみません、本当はもっと内容はありました)

乙一「カメラを向けると必ず何か面白いことをするんですよ」
北山「作品から抱いていたイメージと違い、よくしゃべる人だなと思いました」
滝本「しゃべると言えば、ラジオに出たそうじゃないですか」
佐藤「確かにFM世田谷に出ましたけど、なぜ今それを言う!」
太田「では次はCM出演を」

 滝本竜彦の肉体美!

太田「今回わかった事といえば、やっぱり滝本竜彦さんの肉体美でしょうか」(『ファウスト』vol.4の200〜201ページ見開きを見つつ)
佐藤「え、体について話すんですか?」
太田「いやいや(笑)」
佐藤「競作に関してなんですが、何枚書きました?って聞くと、10枚って答えるんですよね。その後また何枚書きました?って聞くと、今度は2枚って答えるんですよ。つまり最初の10枚を没にして、書き直しているんです。それを3〜4回聞きました。最終日、ものすごい勢いで書いて、仕上げていましたね」
滝本「小説はね………難しくて分からないですね」
北山「3日目の夜かな。ふらっと外へ出て行ったんですよ。このまま戻らなかったらどうしようとか思いまして」
太田「ああ、本格ファンとしてはうれしい展開ですね」
北山「部屋にいてホッとしましたね。一番追い詰められていた雰囲気がありました。それで作品として出来上がった時には嬉しくて僕も走りそうになりましたね」
太田「この合宿だと、人の作品の完成を見て喜ぶ、というのは確かにありますよね」
乙一「滝本さんの執筆を見ているとスリリングでしたね。最後の数時間で神が降ってきてバーっと書くというのが。私は淡々としか書けないので、正反対な執筆スタイルですね」

 西尾維新 「西尾維新ってどんな人?」

 ここでまた西尾維新からメールが届く。
 詳しい内容を失念(というか完全にメモミス)してしまいましたが。
 「皆さんこんにちは。ドラクエやっている西尾維新です。先ほどファウストvol.4に重大な事実誤認を発見しました。僕は「ぷよぷよ」の腕は玄人はだしですよ! 昔は片手でドラクエ5のレベル上げをしながらもう片方でぷよぷよをやったりしたものです。ゲームセンターのあれは「ぷよぷよSUN」だったのでいまいちルールを把握していなかったのです(以下略)」
 みたいな内容。ごめんなさいもっと内容ありましたよ。記憶力悪いなぁ。

佐藤「あの、皆さん「ぷよぷよ」はご存知ですよね? 「ぷよぷよ」というのはぷよを四つつなげて消すだけのゲームですよ。合宿のときに、ゲームセンターに「ぷよぷよ」があって、僕は「ギャラガ」をやっていたんですが彼は「ぷよぷよ」をやり始めたんですよ。それで、結構積みあがってきて、これからすごいものを見せますよって言うので見ていたら、何か横に積んで引っかかって、何もしないで積み上げて終わっていたんですよ。何なんだろうとか思いましたよ(笑)」
太田「じゃあ今度、京都に行った時に本当に「ぷよぷよ」が上手いのか確かめてきますよ」
乙一「西尾さんは……執筆速度が異常でしたね。あとは、メダルゲームでメダルを儲けすぎてガッカリしているのとか、印象的でしたね」
佐藤「これもねー。またホテルのゲーセンの話なんですが、メダルゲームの何か落とすやつでガッカリしながらやっているので、どうしたのか聞いたんですよ。そしたらさっきものすごいフィーバーが出て、使い切れないぐらいのメダルが出てしまって自分はそれを一枚一枚消化しなければならないんだって、こんなにたくさん持っているのが寒いとか言ってましたね」
北山「西尾さんとミステリについて熱く語りまして、この人はミステリ書けるんじゃあないかと思いましたね」
佐藤「北山さんは、僕に少しも話をふらないんですよ(笑)」
太田「それはしょうがないよ(笑)。北山さんは西尾さんの作品の中ではどれがいいと思いました?」
北山「やっぱり最初の『クビキリサイクル』が新本格ミステリとして一番面白いと思います」
太田「やっぱそうですよね、新本格と妹とじゃあね」
佐藤「あなた今、本格と妹を比べましたね?(笑)」
滝本「西尾さんの執筆速度が速いと聞いていて、初日に怪我をしたとかであの執筆速度が見られないのかと思ってましたが………」
太田「何か荷物を持って肉離れを起こしたとかいって、エアーサロンパスを探していましたね。でもあれ本当だったのかな? 本当に肉離れだったら痛くて歩けないですよ」
滝本「だけどその日のうちに小説を書き上げてしまい、後は暇そうにしていましたよね」
佐藤「エアーサロンパスといえば、あの(眠いときに)エアーサロンパスを顔にかけるっていうのを彼(西尾維新)に吹き込まれてまともにやりましたよ。悪気がないのでまあいいやと思いましたけど。ただそれでも眠いのでもっと刺激のあるのはないのかと聞いたら、目の下にメンソレータムを塗るというのを教えられて、それもやりましたね。どろどろになったので風呂に入ったらそれで眠くなったという(笑)」

 来年の目標は?というテーマでこの後、話が続く。

 乙一

乙一「いくつか仕事を引き受けているのでそれを仕上げ、後は数年前から取り掛かっているジョジョの奇妙な冒険』第四部のノベライズを。もう何度も書いては自分で没にしているので、何とか来年には完成したいですね」
太田「僕も楽しみにしていますよ」
乙一「いやあ、もう………僕は才能ないですよ。あと、脚本とかやっていますが、これは何年もかかるので来年お見せできるものではないですね。自主制作映画も作っていて、これは滝本さんが出てくれるということで楽しみですね」
太田「何の役なんですか?」
乙一「カバンを盗む役ですね」
太田「………もっとマシな役はなかったんですか?(笑)」
乙一「あとは佐藤(友哉)さんがナンパする役ですね」
太田「佐藤さん、ナンパなんてしたことあるの?」
佐藤「僕のような男はナンパなんてしなくとも向こうから寄ってくるんですよ(笑)」

 北山猛邦

北山「少なくとも二冊は長編を出す予定ですね。あと、新本格ミステリ、物理トリックというイメージが定着しつつあるので、そろそろ裏切らないとと思います」
太田「物理トリックって大きくするとある種のバカバカしさが出てきて、そこに切り込んで推理していくのがカッコいいんですよね。今回もファウストVol.4に書かれていますが(「廃線上のアリア」)」
北山「ファウストvol.1を拝見して自分の名前がないのにちょっとショックというか、そういう気持ちになって、ファウスト賞の募集を見て自分だったらこういうのを書くと考えながら書いたのがこの作品なんですよ」(←メモミス。「嫉妬」と言っていたんですが、それを含めて書くとどうしても尊大なイメージになってしまうので避けました)

 佐藤友哉

佐藤「何といいますか、皆さんと決定的に違うのが二年ぐらい本を出していないんですね………。来年こそは本を出そうと。計画だけなんですけど来年は佐藤友哉先生大フィーバーになるので、皆さん協力してください。そんな事を思う今日この頃ですね」

 来年二月にWEB連載されていた『鏡姉妹の飛ぶ教室』がノベルズで出るそうです。当時の雰囲気をつかみたい方のために日暮さんの感想を貼っておきましょう「孤立無援」)。

 滝本竜彦

滝本「連載していた小説三本を単行本にして、漫画『NHKにようこそ!』の原作を終えたら自分の今後の人生について考えてみたいと思います。このまま小説家を続けていっていいのかとか」
太田「ファウストというのは、そう何回もできるものではないと最初は思っていました。本当に最初はvol.2で終わるんじゃないかとか。だから、最初の二打席で全部やろうと思っていたんですよね。二打席終わってさあどうしようという時に乙一さんとかが参入してくれて。僕にとっても滝本先生のECHOはいい作品ですのでがんばります」

 スクリーンに「またファウストで書いてくださいね!」というメッセージが映し出され、ここから質疑応答へ。まずはメールで募集していた質問から。

 Q.「『ネコソギラジカル』はいつ出るのですか?」
 A.
太田「鋭意製作中です。本が出ないという時は本当に出ないもので………しかしこれは完全に編集の責任です。申し訳なく思っています。なるべく早めに出します」

 Q.「将来、自分の館を建てるとしたらどんな館を建てたいですか?」
A.
太田「ああ、これはぜひ北山さんに答えていただきたいですね。斜め屋敷とかですか?」
北山「いえ、自分はビリヤードの台を置きたいので、水平でないと。でも正直、トリックのある家なんて住みづらいですよね(笑)。何か仕掛けがある館とか」
太田「でも綾辻行人さんが建てられなかったら、北山さんが建てるしかないですよ」
北山「そうですね、綾辻さんが建てられなかったら、建てましょうか(笑)。何か仕掛けのある家を」

 Q.「ファウストvol.4を拝見しました。深夜にどうしても気になりメールしました。北山猛邦先生の文芸合宿競作『こころの最後の距離』ですが、P.60〜P.61に大地震が起こり新幹線が脱線した、とありますね。これは後から加筆したのではないでしょうか? 私の記憶が正しければ今度の新潟地震で新幹線が脱線したのは史上初の事で、ほぼ同時期なのは考えられません。どうなのでしょうか?」
A.
太田「これは加筆ではないんですが………作家によってはこういうシンクロシニティを生み出してしまう事があります、という事でしょうか」
北山「もちろん偶然です。後でニュースを見てびっくりしまして、本当にこれ出版されるのかなとか思いましたよ。今日、新幹線に乗って東京に来たんですが、低気圧の影響とかで一時間ほど止まるというのに運命的なものを感じましたね」
太田「本当に今日は開演の10分前到着で一時はどうなるかと思いましたね」
北山「並んでいる皆さんの横から入って、恥ずかしかったですね」
(誰かのレポートにあった太田編集長が走って連れてきた人というのは北山猛邦では?)

 Q.「佐藤先生に質問です。合コンの相手はどんな人でしたか?」
A.
佐藤「それを言うといろいろと事件が起こるので言えません」
太田「かわいかったんですか?」
佐藤「かわいかったです………」

 Q.「乙一先生に質問です。『ジョジョの奇妙な冒険』第四部小説は読む前に漫画を読んだ方がいいんですか?」
A.
乙一「必要はないと思います。そういう風に書きたいですね。でも名作なので、読んだ方がいいです」
太田「『スティール・ボール・ラン』の続きとか、個人的にも気になりますね」

 この次に実は滝本竜彦への質問があったらしいのだが、ファウスト連載の人生相談に回される。
 次に、会場からの質問に答えるコーナーへ。

 Q.「合宿で周りに人がいる状況は、作品内容に影響しましたか?」
A.
乙一「最初は心配だったんですが、途中からは皆に引っ張られて書いていた気がしましたね。太田さんと北山さんのプロット打ち合わせを聞いて、これは挑戦的なものを書かなくてはならないと思いました」
北山「影響はあったと思います。一人で書いていると、なまけようと思うとなまけられるんですね。周りの人がいると書かねばならないということで、進みましたね」

 Q.「佐藤先生に質問なのですが、佐藤先生に関係のある名前をメールアドレスに使っていたら、自分を佐藤先生と間違えたMAILが先日、届きました。その方とMAILをやり取りしていて解ったのですが以前、佐藤先生がこのアドレスを使われていたそうです。本当でしょうか?」
A.
佐藤「あ、本当です。舞城王太郎とか色々な人の(作品の?)アドレスを使おうと思ったら結局自分のしか残っていなくって、一時期使っていましたね。しかし問題はMAILの相手がどうやってそのアドレスを知っているか、だね」
(質問者)「その方によると、佐藤先生は来年ハッスルされるそうですが………」
佐藤「ハッスル……そうですね。フィーバーしますよ。期待に沿えるよう頑張ります」

 Q.「滝本さんに質問です。彼女が欲しいですか?」
A.
滝本「彼女………彼女………彼女………うーん、そうですねぇ、嗚呼、彼女………欲しいですね。そういうのって、いいよね」
太田「どんな彼女が欲しいんですか?」
滝本「お金のある彼女がいいですね」
太田「………」
滝本「あと、養ってくれる彼女がいいですね。最近、転職を考えているんですよ。このままずっと作家で続けていられるか解らないし」

 Q.「乙一先生に質問です。『ZOO』が映画化されるそうですが、どうでしたか?」
A.
乙一「試写会で観ました。『ZOO』はオムニバス作品で、5本の短編があるんですがその中にアニメ作品が一本(「陽だまりの詩」)あってその出来がよく感動しました。もちろん、その他の作品もいいですよ。映画は来年三月、池袋から公開です」

 Q.「佐藤友哉先生に質問です。『クリスマス・テロル』で作家をやめるとか書いてありましたがまだやっているのはどういうことでしょうか」
A.
佐藤「よく誤解されるんですが『クリスマス・テロル』に一言も今後小説を書かないとは書いていません。鏡シリーズは出せませんが、小説は続けます。もう少し長い目で見てください」
(質問者)「あと、太田編集長が原稿を踏んだのは本当なんですか? 僕もファウスト賞に応募しているので、原稿を踏まれたら嫌だなと思いまして」
太田「フィクションではないでしょうか。壁に二回叩きつけたこともないですよ(笑)。ただし、誤解を恐れずに言うならば、そういうのはありだと思っています。踏まれるのが嫌だったら、送ってこなければいいんです。小説はそれでも一人で書き続けることができます。ただ、送ってくるなら多くの人に読み、読む人がその代価を払うという事を考えて欲しいのです。作家の卵と編集者をたとえるなら、僕が真剣を持っていて、相手が「才能」という弾の入ったリボルバーを持っているようなものです。その弾に当たったら僕はおしまいですが、当たらなければ僕は切ります。よくある少年漫画の、「最初は敵」みたいなもんですよ。倒したら蔵馬やキルアみたいにラスボスまで付き合ってくれる、一番の仲間になります。まあ見てるだけのヤムチャみたいな人もいますけど(笑)。だから原稿を踏んだりするのも、その人(編集者)の真剣の現れ具合ではないかな、と思います」
(以下、そろそろ終わり、ぼちぼち進行)