Radio CON$

CON$のブログ。アニメとかホラーとかレトロゲームとか好き。

MYSCON6

 極私的MYSCON6メモです。メモとはいえ長くなっておりまして申し訳ないです。
 皆様のMYSCON6レポートはこのあたり参照


 マサトクさんと東大前・鳳明館森川別館へ。
 ここ、古い旅館で東大前の路地裏にひっそりとあるんですが………普段はどうしているのでしょうか。東大の学生が合宿とかに使ったりするのでしょうか。
 入り口で受付を済まし7,000円を払って、遅れ気味だったので地下・大宴会場へ。
 中に入ってみると作りがどこも古く、見取り図を見ているだけでミステリな気分になり内心ワクワク。後で関係ない廊下の窓を開けて中を見て「ここからはあの部屋が見えるな……」とか一人で妄想したりして。
 入り口が二階というのか少々混乱した。私は方向音痴なので、その後もしばらく迷ったりすることがしばしば。若林さんがブログで案内係の不必要性を書かれていたが、私のような人は50人に一人もいないので確かに必要ないと思います。
 さて、既に宴会場では最初の催し物が始まっていました。

    • 17:30〜 開始後インタビューなど
  • 杉江松恋氏による、太田忠司先生インタビュー。さすがにゲストの著作を読んでいないのはマズいだろうという事で、徳間文庫の『月光亭事件』を読んできましたが結構面白かったですね。私個人、やっぱりシリーズものとか好きなんだなぁ、という事を再確認して、シリーズの中で育てていく「芽」の数々を興味深く読みました。30代として読んだ、というのもあるかもしれませんが………。
  • 太田忠司先生は私の地元である名古屋の作家(何と小学校から今に至るまでずっと名古屋!)で、そのあたりも興味があります。森博嗣先生も名古屋なのですが、どう思っているか聞けば良かったかも………(すみません、根本的なミステリ者でもないので、そのあたりの交流とか全く知らないんです)。
  • ちなみに太田忠司先生のサイトはこちら
  • インタビュー自体は私の心配をよそに、著作をさほど読んでいなくとも興味深い話が次々と。
  • 学生時代の話。ラジオ少年(いうまでもなく、ハード面の方です)だったので理系に進んだけど、勉強は解らないし周囲には小説なんて読む人がいない。教授には「小説はウソしか書いていないから読まない」という人もいたとか。ガチガチの理系ですな。
  • 執筆生活に関わる話。サラリーマン時代の習慣を守っていて、朝早く起きて奥様を見送った後、PCに向かい一時間ぐらいメールチェックやネットを見て、そこから仕事・昼食、午後四時ぐらいになったら奥様が帰って来られて、仕事終了、という9時-5時小説家。私のたいへん尊敬する漫画家、荒木飛呂彦先生も規則正しい生活の中で創作仕事をしているので心の中で敬礼。
  • 「アイデアはどこで考えるのですか?」という質問には「PCの前です」と淡々と答えておられた。
  • より興味深い質問として「トリックはどういう風に考えるのですか?」という質問の答え。太田忠司先生いわく、「トリックを考えた事はありません」。え?と思っていると、太田先生は最初にシチュエーションを考えて、その「いいわけ」を考えるのだそうだ。その「いいわけ」が美しかったり楽しかったりすると良い、という事。帰納的にプロットを考えるなんて大変じゃあなかろうか。ただ、このあたりは今の少年漫画家などには学んで欲しい創作スタイルではある。
  • キャラクターのストックは沢山あるそうな。
  • 太田忠司先生は(恥ずかしながら全く知らなかったが)早くからNIFTY-Serveでのパソコン通信をたしなまれておられ、その方面のフォーラムにも出入りしていたとの事です。私もNIFTY-Serveに入っていろいろやっていました。
  • 今後のネットのかかわりとして、mixiの話をしておられました。私もmixiに入会したのは割と最近ですが、これはパソコン通信だな、と思っていました(誰でもそうでしょうか?)。
  • あっという間にインタビューは終わって、スタッフから諸注意、全体企画、個別企画の説明などがあって解散。
    • 19:15〜20:15 休憩・ローマ風呂とか
  • ここで一時間の休憩。各自食事や、風呂に入ります。
  • 見知った顔への挨拶もそこそこに(失礼しました)、近くのコンビニへ食事とリンスインシャンプーを買いに出かける。
  • 「羽衣」の間ではマサトクさんと同室でした。自宅がユニットバスなので、大きな風呂に入りたいと思い「ローマ風呂」へ。
  • 「ローマ風呂」は鳳明館森川別館の男性用お風呂(女性のところにもあるんですか?)。行ってみると脱衣所には一人分の服しかなく、本当に男風呂なのか表に出て確かめてしまったほど。まぁ実際には男風呂−女風呂は間違えて行けないような構造になっているので、それはないのだけど。
  • ローマ風呂というのは中央に古代ローマ風(なのか?)の丸い湯船があって、壁にローマとおぼしき絵が描いてある、というもの。ドアに「シャワーのお湯は出るまで一分位かかります」と書いてあってワクワクしたがお湯が出るまで実際には三分ぐらいかかり楽しめた。洗い場も8つぐらいと少なかったがほとんど貸切状態。実際には長湯をしつつ哲学談義などするといいのでしょう。いいお湯でした。
  • なお、シャンプーもボディーソープもあったのでリンスインシャンプーとか買って行かなくとも良かった。
  • 帰って部屋でそそくさと食事。お湯がポットにあったのでスープパスタとか。時間ギリギリになって地下一階の大広間に向かいました。風呂上りなので、旅館らしく浴衣を着て行こうとか思いましたが、寒いかと思い普段着に。
  • マサトクさんは焼酎の瓶をかかえてさっさと宴会場へ。
    • 20:15〜21:15 全体企画『MYSCONなんでもベスト10』
  • 全員参加の企画として『MYSCONなんでもベスト10』を行う。これはいくつか班に分かれて、班長がランダムに引いたお題でミステリに関連したベスト10を作る、というもの。
  • グループ1「紀伊國屋書店」、班長shakaさんが引いたテーマは「心に残るトラウマミステリベスト10」(正式な名称は失念)。shakaさん曰く、「これだけは引きたくなかった!」。
  • これは難しいなぁと思いつつメンバーを見渡すとshakaさん、太田忠司先生、市川憂人さん、均いちさん、さとるさん、S.T.R.さん、政宗 九さん、みわっち。さんというメンツ。政宗 九さんのサイトは私も会社からよく拝見しておりますし、何と太田忠司先生もいらっしゃるし(ゲストは企画に参加しないものだと思っていました)、濃いメンツだなーと。
  • 予想はしていましたが、いやあ皆さんよくミステリを読んでいらっしゃいますね。それが当たり前なのかもしれないのですが、脱帽。
  • 基本的にネガティブなベスト10にしてはならないという事で、「トラウマとは何か?」というあたりから話すあたりもミステリ好きというか?
  • ひぐらしのなく頃に』鬼殺し編がトラウマミステリのような気もしますが、小説でないのでアウトですね。太田忠司先生が何と体験版(鬼隠し編)をDLしてやってみたそうで。さすがにキャラが受け付けなかったらしいですけどね。そりゃそうかも。市川憂人さんという方が「ひぐらし」を昨年ベストに上げておられたのでその話もしたかったな。
  • ベスト10というのは多いなぁ、せめてベスト5にして欲しい、埋まらないよなんて考えてディスカッションしていると、まぁ埋まるもんですね。皆さんにほとんど任せっきりで自分は(本当に)余計な茶々を入れただけでしたが。皆さん、有名なミステリサイトの管理人さんなんですね。
  • トラウマミステリというと御大(清涼院流水)は外せないだろう、と思っていたのですが、結局一つも入らなかった。まぁ入れ始めるとキリがない、という事でしょうね。
  • その代わりといってはなんですが、太田先生の推薦で『黒い仏』(殊能 将之)がランクイン。「この人は何をやるか解らないな、と思った」という言葉が印象的でした。実は未読なので、早く読んでみよう。
  • まぁ皆さんも話していましたけど、殊能将之って反則ばっかする作家(非難しているわけではないです)なのでまたそういうのかな、とは思いますが。
  • 一位は実はあの作品なのですが、そのうち発表になることでしょう。
  • 結果は壁に貼られて、解散。見ているとなかなか可笑しい。
  • shakaさんに呼び止められてびっくりしていると………あ、うちんとこ読まれた事があるのですね。お恥ずかしい。今度はジョジョの話を是非。
  • っていうかずーっと我慢していたけどポジティブなトラウマといえばジョジョ第四部ラストとかストーンオーシャン(六部)ラストでしょうやっぱ。
  • よくよく考えたら次の職場も版元なんだから政宗 九さんと名刺交換とかしておけば良かった。緊張して話せなかったな。もうこう書いていると後悔することばっかりだ。まぁ会社の名刺持っていかなったのですが。
    • 21:30〜22:45 個別企画 海外ミステリ企画『MYSCON洋画劇場』
  • 15分間の休憩を挟んで、個別企画の1コマ目。このあたりは、SF大会と同じですね。二つ部屋がありまして、もう一つは麻耶雄嵩『蛍』の読書会。これも参加したかったけど………。当日まで読めなかったんですよ。
  • 部屋でぼっとしていたら時間になった事に気がつき、あわてて出る。
  • 廊下をみんなであちこちに移動して文化祭みたい。途中、ことこさんとささきさんが「読書会どこーどこなのぉーーー!」「あっちだよあっち!」「あっちねーあーどうもこんばんわーー(遠ざかっていく)」とか話しながらいそいそと移動していたのとすれ違う。可笑しかった。
  • さて『MYSCON洋画劇場』ですよ。ミステリより劇場で観る洋画の方が年間では多いという私にとってはうってつけの企画ではありませんか。
  • とか思っていたらいやあ皆さん観てること観てること。自分はこの中でもそこそこ……なんて思っていて恥ずかしかった。もっともっと観ないとなー。
  • 部屋に入るともう後ろの方。そのくせツマミ食いながら拝聴して申し訳ありませんでした。以後気をつけます。
  • 参加者にプリントを配って、何人かの映画好きミステリサイト管理人さんがイチオシの映画を紹介する、というトークショー形式。話の合間合間に濃い皆さんの合いの手が入るのが見所かな。
  • 深川拓さんが最初に『SAW -ソウ-』を紹介。確かにこれ挙げなかったら……という作品ですよね。実はまだDVD買っていないんですわ。ノートパソコンを会場中央に設置して、DVDの予告とか見せる。これ、何を話してもネタバレになってしまうので、紹介は難しそうでしたが………。私も視覚的に痛いのが大好きなのでツボでしたね。
  • 東京国際ファンタスティック映画祭2004で行われた脚本リー・ワネルティーチ・インで突っ込まれていた「あの問題」について触れるかと思っていたんですが、さすがにネタバレですかね。
  • 次が正宗九さんで、取り上げたのがあの傑作。

(つづく)