『ペイチェック』感想。
Radio CON$とのクロスポストですが、はてなダイアリーである意味も含めてこうしました。すみません。
題名だけ聞くとメル・ギブソンあたりが出ていそうなアクション
映画のようですが、フィリップ・K・ディックの短編『報酬』が
原作のSFアクション映画。
『ブレードランナー』『トータル・リコール』『JM』とディック
原作映画は結構作られているんですが、今作は『マイノリティ・リ
ポート』『クローン』と話のパターンとしては一緒です。
ある人物が何か作る → 脱走 → 研究所に戻って破壊、みたいな。
まぁフィリップ・K・ディックはつきつめると数パターンの物語
しか書かない人なので、映画にするとそのあたりの似通ったところが
よく浮かび上がる訳ですが。
ジョン・ウー監督らしく、アクションはちゃんとしていまして、
逆に言えばその他がなぁ………自分が自分ではないのか?という
ディック的世界観をもっと描いて欲しかったし、「記憶」を失う
ことについて上手く説明できなかった『JM』以上に、何か訴える
ものが欲しかったというか。
ネタバレすれすれになってしまいますが、19のガラクタを「使う」
時、確信的に使うのが嫌だった。まるでバイオハザードを攻略本観て
解いている人のプレイを見ているみたいで。
主演のベン・アフレックも、別にこの人じゃあなくてもいいじゃん
って話(実際、最初はマット・デイモンだったんでしょ?)だし。
ただ、ユマ・サーマンは画面に出てきただけでおっかしかった。
『キル・ビル』後遺症というか。キレイに撮ろうとしても、ぜんぜん
キレイじゃあないんだもん。その分、後半の(普通なら不自然に思う)
アクションシーンでは何となく納得できる感じでした。ユマ・サーマン
ならしゃあないか、という感じで。
お手軽な娯楽作品。『マイノリティ・リポート』の時にも書いたけど、
『クローン』って結構よくできた作品じゃあありませんでした? 当時
はなんか物足りないな、と思ったけど。というよりディック原作だと
映画じゃあどうしても物足りなくなるって! 『暗闇のスキャナー』
なんて映画にできないでしょ?