Radio CON$

CON$のブログ。アニメとかホラーとかレトロゲームとか好き。

奇跡

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Well I was layin' out wire on number 9
(オレがNo.9ワイヤーで作業してたら)

Now when she come down to earth
(あのコが地球におりてきた)

And she was talkin' real loud
(これまたデカイ声で言うのさ)

All about how she was gonna save the universe
(宇宙を救う方法を教えてあげるときたもんだ)

I went and snuck a lil' peek in her blue eyes
(オレはあのコの青い目を覗いてみた)

And words just aren't enough
(もう言葉じゃいいつくせないね)

She had me off and runnin'
(とにかくすっかりいかれちまったんだ)

Could it be that I got bored and lonely
(孤独で退屈なオレ)

Could it be that I'm just dumb and horny
(間抜けでオンナ好きのオレ)

Could it be that Lady Luck has smiled herself on me
(幸運の女神が降りてきてそんなオレに微笑んだんだ)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 なあそこのあんた。
 暇ならここからの話を、
 聞いていってくれよ。
 なんせ今日は特別な夜。
 路傍の話に耳を貸す暇ぐらいはあるだろうに。
 奇跡の話ならなおさらだ。
 お礼は見てのお帰りだ。

 いつもおりの飲み会の後だった。
 真っ暗な気分でボロアパートに向かった。
 考えてみれば、今年は何もいいことがなかった。
 何一つ、いい事がなかった。
 とどめがこの今晩だ。
 オレは30歳過ぎて、
 いまだにグダグダ過ごしている。
 全くそりゃあ負けっぱなしだったんだ。

 もうこんな日々に今年中におさらばだ。
 衣装ケースの下から二段目。
 カビが生えてなければ、全てを終わらせるアレが入っている。
 あとは窓に目張りするだけだ。
 うちのアパートは風通しがいいんだ。
 おかげで身も心も寒風に吹かれたままだ。
 もういい加減つかれたよ。
 一日何十時間も働いているのに、
 アンディ・ウォーホルの言った15分は永遠にやってこない。
 いつかの夜に、いつかの生を終わりにするんだ。

 鍵が落ちて、我にかえった。
 そして焦点のさだまらない目でそれを見たんだ。
 ドアノブにかかっているそれを。
 あっちの世界からやってきたそれを。
 まぎれもない現実のそれを。
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