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CON$のブログ。アニメとかホラーとかレトロゲームとか好き。

『ヒューマン・キャッチャー』感想

cry_condor2004-06-06


 『ヒューマン・キャッチャー』五つの約束!
 一つ! 怪物の登場に、深い理由づけをしません!
 二つ! バズーカやマシンガンなど、強い近代兵器は使用しません!
 三つ! 主役は俺たちだ! 警察などは、呼びません!
 四つ! 結局全員助かった、なんて事や夢オチは、絶対にしません!
 五つ! 観た後に、何も残しません!

 という訳で、またまた夜の新宿。新宿ジョイシネマ3(『ドッグ・ソルジャー』とか『アンデッド』などのB級ホラーを二週間という短いサイクルで上映するナイス映画館)だったらいいんですが珍しくシネマミラノでしたよ。相変わらず『トロイ』にあぶれたカップルばっかりです。お前ら怪物に全員襲われちまえ! 皆殺しだ! キル! キル!

 最近のB級ホラーではぶっちぎりに楽しみにしていた今作。なんせあの基本的には金返せ映画なんだけど記憶には残る『ジーパーズ・クリーパーズ』の続編ですからね。
 とはいえ、名もなき人さんから「あまりにも試写会で観てつまらなかったので券あげます」と二枚ももらった券を手にして行ったので正直、不安でした。感想としては………いやーよかったよかった。これぞ正当派B級ホラー、王道のB級、という感じで、このご時世によくこんな映画作れたなぁ………と感動。「最近泣ける映画は?」と美容院で聞かれたら、このタイトルを挙げましょう(「いやー、トウモロコシ畑の中で、親子が衝撃の対面をするんだけど、後は強い父の復権物語というか、とにかく感動できる一作ですよ!」)。

 もちろん悪いところもいっぱいあります。前作で手放しで評価できた、冒頭のアメリカの風土的描写とか。いちおう姉弟の関係とか物語らしいものがあったとか。
 そういうのは今作は全くなし。いきなりトップギア。怪物も出し惜しみなし。というか、予告編どおり開始10分ぐらいで大暴れですよ。そのトップギアのままで最後まで突っ走る。「見えそうで見えない……」なんてシーンは一切なし。
 ただ、怪物の正体とか、こんな致命的な弱点があるとか、そういうのも同時にないんですね。要するに物語性をチョップしてそぎ落としている。それで映画になるのか? いやなってないかもしれないけどとりあえずなっているみたい、首の皮一枚で! さすがホラー!

 そこに駄目押しでレイ・ワイズですからね。しびれました。『ツイン・ピークス』のローラのお父さんですよ! あの目つき、ちょっとイカれたアメリカの農家風目つき! もうたまりませんね。

 とか書いたものの、観た後に全く何も残らないので、B級ホラーに免疫ない人には相当ツラいです。ちょうどB級ホラー風呂入浴50回目ぐらいの、脳がぶよんぶよんの人にオススメ。