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『デイ・アフター・トゥモロー』感想

cry_condor2004-06-04


 先行オールナイトの新宿。深夜0時。
 大塚愛の『さくらんぼ』を聞いて思うことはただ一つ。カップルは皆殺しだ! この世など滅べ! キル! キル! そんな我々の心を満たすディザスター映画がちょっとSFちっくだというので悪友F以下男連中でぞろぞろ行ってきた訳ですわ。

 すごいシチュエーションとすごいCGで押しまくるんだろ?と思ったら前半はそのとおりで、惜しむらくは規制の関係かモロな死体が少ない事か。………と思ったらそれは後半も同じで、自然現象のように人が死んでいく。いや、人が死ぬのは自然なことだが、その描き方がまるで原因 → 結果の連続なのであまり思うところがないんですな。
 これがもっと研ぎ澄まされて人の死が淡々と描かれていれば映画として成立したかもしれませんが、それに伴う精緻とした描写がないので人が死ぬのも風が吹くのも同類項という、これがアメリカの考え方なの?とふしぎな気分になってくる映画。

 話が進むとあまりにも冷静な人が多すぎる。もちろんパニック映画にありがちな怒る人とか単独行動の人とか出てくるんですが行動があまりにも整然としすぎていて話に深みがない。
 こっちは大臣が木に登って歌を歌う(by『ノストラダムスの大予言』)ぐらいの事を期待して行っているのにそれもなし。発狂シーンも皆無。おざなりな絶望感の中で問題が「自然に」解決するという………。

 まぁ見るところは映像、という事になるんでしょうか? あとはジェイク・ギレンホール。『ドニー・ダーコ』のドニー役の彼ですよ。あのボンクラ風味がまた主人公で、リアルじゃあ『スパイダーマン』に出ているキルスティン・ダンストが彼女だっていうんだから、世界が崩壊してもまぁいいかって気になってくる。

 SF的にツッコミを入れたりという楽しみがなければ、カタストロフを感じることもなく終わる2時間4分。人と観に行くのが正しい見方かも。「せっかくクイズ大会で学生が集まるんなら、その中で『漂流教室』でもやりゃあいいのに」とかオタ的オレ的脚本を他人に披露する、人の数だけ世界の終わりがある事を再認識させられる一作かな。